また春がやってきました

吉奈でも桜が咲き始めました。嬉しいような切ないような、なんとも言えない気持ちに、胸の奥がきゅっとなる季節ですね。
私の母校・月ヶ瀬小学校は、その当時小さな木造校舎でした。校庭には大きな桜の木がだんだんだんと3本並び、春になるとそれはそれは見事な花の下で小さな子供達が駆け回っていたのでした。桜の木は子供が3人ぐらい手を伸ばさないと囲めないぐらいの太い木で、悪ガキだった私はよく木に登ったものです(笑)。少し経つと一斉に散り始めた桜は4月の雨でできた校庭の水溜りに、きれいなピンク色のじゅうたんを敷きます。私は校舎の窓からそれを眺めるのが、大好きでした。
桜_0059.jpg
校舎の踊り場のにおい、図書室の古い本のにおい。廊下を走る音。150人程度の小さな小学校でしたが、この木造校舎が大好きでした。しかし私が卒業した後にこの木造校舎は取り壊し、別の場所に新しい校舎を建築する事が決まっていたのです。一人違う中学に行くことになっていた私は、初めて胸がきゅっとなる、なんとも言えない気持ちになったのを覚えています。卒業して、もし母校に戻る事があっても、この校舎はもう無いんだ…。小学生の頃の思い出は校舎と一緒に壊されてしまった思いがしました。それ以来桜を見ると、いとしい気持ちと切なさが入り混じった、あんまり気分のよくない心地がするのです。
イヌフグリ-00016-1.jpg
地元の思い出といったら、その小さな小学校の頃のものだけです。幼馴染と日が暮れるまで田んぼでれんげを摘んだり、川に入って泳いだり。田んぼの稲村に登って壊して怒られたとか、大きなダンボールで家を作っておままごともしました。黙ってカップを持ち出して本格的なお茶会を度々催してましたよ(笑)。珍しく降り積もった雪でかまくらを作った事もありました。通学路を使わず、わざと山の中を通って帰ったり。吉奈温泉の全てのおうちには、勝手に遊びに行きました(庭を横断するなどですね)。もーやりたい放題です。まぁ、これも一緒に悪さする兄弟と相棒がいたからですが。古きよき時代の子供達ですね。
桜_0244.jpg
吉奈に桜が咲いた日、この相棒がなくなりました。幼い頃の楽しい思い出は、全て彼女と一緒に体験したものでした。忙しさを理由に、ここ数年疎遠になっていました。会いに行かなかった事を悔やんで、未だ整理はついていません。この場にふさわしい話題じゃないですが、書くことで整理し前に進む努力しようと思います。お許し下さい。彼女が逝ってしまって、私の中の何かが確実に変わってしまった気がします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です