雑感

忙しくて放っておいた高校の同窓会誌に何気なく目を通したら、担任もして頂いた恩師が定年退職を迎えるとあった。田中先生は体育の先生でしたが、そうか当時今の私より若かった。

私の中学高校はまるで天国みたいなところでしたが、夏は涼しく冬は厳寒の素朴な場所にあった。農園はおろか牧草地まであった広大な敷地を抱えるのどかな学校。もちろん良いことばかりじゃないし反発もそれなりにしたがごくごくまじめーに育ちました。
水泳は好きだけど走るのがとても苦手な私が、一度だけヤケで取り組んだのがマラソン大会。どうせビリだし全校生徒の前で無様な姿をさらすのはわかってたのですが、なにせ当時はまじめだったのでサボる勇気がなかった。走ったり歩いたりその最中はもう全てが憎らしく後悔しきり。へろへろでゴールまでやってくると田中先生や男性教師の方々が「よくやった!よくやった!」と駆け寄ってほめてくれた。高3の最後にやっと体育の満点がもらえたのでした。

田中先生が43年の長い教師生活の事を書かれたその文中に「これはあの時の事かな」と思う一文を見つけ思わず涙。当時の私には「苦手だけど取り組む、限界までチャレンジする」というまじめさがあった。いまだに気持ちをピシッとさせてくれる恩師に感謝するとともに、またこれからもがんばらねばと決意した誕生日になりました。
a0830_000021_夏の夕暮れ