さか屋所蔵の作品も!「小野佐世男-モガ・オン・パレード」展

小野佐世男は昭和を駆けぬけた漫画家である。女性の曲線美を描き、社会を諷刺し、巧みな空談(ほら話)を語って、広く愛された。1954年2月来日したマリリン・モンローに会い、漫画ルポ「お尻拝見」を書く予定だったが、彼女の到着の日に帰らぬ人となった。

小野佐世男
今回大規模な回顧展が、当家に縁の深い川崎・岡本太郎美術館で開催されています。さか屋からも「小野佐世男」氏の作品を数点出展したので、来週の1/14をもって終了する前に拝見してきました。
あふれる程の女性画の波・波・なみ。そしてこれがまことに色っぽい。戦中戦後の風俗を描き、風刺漫画で皮肉りながらも、何より美しい女性がいっぱい!後の手塚治虫氏の絵にも出てくる、ウィットに富んだおしゃれな曲線はとても魅力的でした。もうむんむんと香る女性の空気!でも女性に対する敬意が払われているせいか、色っぽくても見ていて嫌な感じがしません。
実はさか屋から貸し出したのは数点あるのです。学芸員の方に伺いましたが、ある高名な日本画家の方がさか屋で書いてくれた絵をとても褒めて頂いたとか。それは小野佐世男さんの作風の中でもちょっと異色なのでしょうね。女性を描くのを得意としていた小野佐世男さん。色気のある女性を書かせたら、右に出るものは居なかったとか。しかしさか屋で書いてくれた絵は、全く対局の位置にあるものです。
当地は「子宝の湯」ですので、温泉に浸かる「母子像」を描いて下さったのです。この絵がまた神々しいというか、母の命の源を表現しているような柔らかさを持った絵。レビューガールやモダンガールを描く同じ手で、宗教的でさえありそうな母と子を描く。とても不思議です。
約2か月間のお勤めを終えた小野先生の絵画たちが、今月23日にはさか屋に帰ってきます。その後はぜひ皆さんにまた見てもらえます。ぜひご覧になって下さいませ。

「小野佐世男 ― モガ・オン・パレード」 展 会期:2012年10月20日(土)~2013年1月14日(月・祝) 料金:一般900(720)円/高大学生・65歳以上700(560)円/ 中学生以下 無料 ※本料金で常設展もご覧いただけます ※( )内は20名以上の団体料金 休館日:月曜日(12月24日および1月14日を除く) 、12月25日(火)、年末年始(12月29日~1月3日) 主催: 川崎市岡本太郎美術館、小野佐世男展実行委員会 協力:若山美術館、漫画資料室MORI、株式会社ショウエイ