「2009年11月」の記事一覧

なつかしのお客様

女将の昔からのお友達がおいでになりました。
Kさまはその昔女将と一緒にお茶のお稽古に通っていたお友達ということで、とっても懐かしい写真をお持ち下さいました。

女将は独身時代より裏千家のお稽古に通っていました。師匠である島崎宗美先生は、東京(ご自宅)での教室の他に伊豆の当時「さかや旅館」に出張稽古に出かけてました。なんとなくお気づきの方もおいででしょうが、この島崎宗美先生のご紹介で母はさか屋旅館に嫁ぐ事になったのです。言わば両親の仲人さんで、かつ私の厳しい祖母代わり…。現在でもカクシャクとしたご婦人でございます。

その当時のお茶会の写真ですね。さて、女将はどこにいるのでしょう?
1932-女将
女将は幼い私達に「誰も信じてくれないけど、昔は本当にスリムだったの。やせてたんだから」としょっちゅう言ってたものです。
1933-女将

コチラの拡大した写真の中にわが母・女将がおります。さぁどれでしょう?
確かにやせています(笑)。当時は23才、実はこの写真が彼女の将来を左右するきっかけになったのでした。

ご想像の通り女将という職業は、派手な表の部分は5%もなく、大変な裏方の仕事がほとんどなのですね。彼女はこの後20年以上も若女将として苦労を重ねます。もし私だったらとても務まらない…。やはり嫁として来た人と、その家に生まれただけの人とは「覚悟」が違う。「古い家だからこそ新しい風を入れたい」と願った祖父の気持ちが良くわかります。この古い写真を見て、私も思いを新たにしたのでした。

Kさまに頂いたお写真で、思いがけずいろいろ考える機会になりました。女将も最近やっと(!)Kさまのようなお友達に来て頂ける気持ちの余裕が出来たようです。ぜひまたおいで下さいませ。心よりお持ちしております。