一生残る楽しい思い出に

いきなりですが、最近自分の親世代が亡くなることも多くなりました。こういう商売をしていると、元気で働く親の姿が当たり前になってしまうので、時々はっとさせられます。そもそも私が旅館の仕事を始めたのも「親がいるうちに親に関わっておこう」と強く思ったからでした。
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先日友人のお父上のお通夜に伺いました。
仕事上のお付き合いがきっかけですが、私は彼女が好きなので勝手に友達と思っているのです。そういえば最近姿を見ないなぁと思っていたら、多分いろいろとお忙しかったのでしょう。
お父上は医師でしたし、彼女もしっかり仕事をしているので、立派な方々の花輪がいっぱいありました。会場の入り口にお元気だった頃の写真を飾っています。パネル2枚に及ぶ、楽しそうな家族とのお写真ばかり。よく見ると数年前、ご家族で当館にお出でのときの写真が飾られているではありませんか。それも2枚も。すぐに分かりました。
「ああ、さか屋で過ごした時間は、楽しい思い出になって残っているんだ。本当に良かったなぁ」としばし言葉を失いました。「良かったなぁ、良かったなぁ」という思いだけが心の中で繰り返されました。
その後彼女にもお母上にもお会いする事ができ「パネル見てもらえましたか?あの時は本当にお父さんご機嫌だったから」とお声をかけてもらいました。「あんなところに飾ってもらえるなんて、こちらこそありがとうございます」と言う気持ちで帰宅しました。
帰ってから女将に写真の事を伝えたら「それこそ宿冥利に尽きるというものよ。本当にありがたいことです」と言っていました。
楽しい思い出はいつまで経っても色あせない。その場を提供できる喜びこそ、私たちの原動力であるのだなぁと思い知らされた一日でした。
当館にお出での方が「一生残るような、楽しい思い出を作れるように」今日も全力で邁進しようと思います。

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