「2014年01月」の記事一覧

温泉での防寒と源泉かけ流しの話

大寒です!

一年で一番寒いこの時期、当温泉地でもいくら伊豆の温泉だからと言って浴衣一枚で過ごすのは無理があります。しかも震災を経験した私たちは、グローバルな視点で電力というものを考えなければならない時に来ています。

申し訳ありませんが、御宿さか屋では暖房を野放図にガンガン入れることはしておりません。その代り客室は入室前にきちんと暖め、心地よい空間を作ることに尽力しています。
廊下などのパブリックは窓で塞がれているとはいえどうしても広すぎて電力ではカバーできないため、石油ストーブを焚いています。ただお部屋とは格段に違いますので、浴衣のみでの外出ではなく上からはおる丹前や靴下・Tシャツなど下着の着用がおすすめです。
温泉に来て「浴衣一枚でどうして過ごせないんだ!」とすごむ方が年に1~2名ほど、1年で一番寒い時期(今ですね!)においでになります。しかし日常セーターや靴下を着込む生活なのです。伊豆は暖かいと言っても南の島ではありませんので、常識の範囲内でやはり寒いです。
1958-白藤の湯
では温泉については冬期どんなことが行われるのでしょう?

大浴場は「100%源泉かけ流し」を徹底するためにアクリル板ですきま風を防ぎ、かなりの高多湿に浴場を保ちます。急に湯につかって起こる「外気温の落差によるショック」を防ぐためです。

また露天風呂の場合はその広い表面積からもどんどん熱が奪われていきます。その為皆様がご到着される直前まで(または入浴直前まで)保温シートを掛け温泉を守ります。とても手間のかかる作業ですが、この努力なくして「加温なし加水なし殺菌消毒なしの生の源泉100%」のかけ流しを維持することは出来ません。

「加温してでも真冬にアツアツの露天風呂に入りたい」方は当館に来て頂いてもご希望に添えることが出来ません。

当館には昔から歴代の湯守が大事に守ってきた「極上の源泉」があるだけです。
ボイラーで炊き直した温泉は温泉成分がほとんど失われ、循環器を通すために塩素殺菌を余儀なくされます。ボイラー炊きの重油の匂いが付くため窓は常に明け放しが基本で、高温多湿の浴場を保つことは出来ません。正直なところ自宅のお湯と変わらない状態です。
011-お万さん風呂
昔からの古湯にぬるめの湯が多いのには理由があります。そもそも温泉とは人間に適した温度で出てくるわけではありません。たまさか人や動物が入れるくらいの温度になっていたものが発見されるというのが、たいていの古湯の起源です。まさに「自然の恵み、奇跡の温度」だったのでしょう。もともと温泉は熱すぎたりぬるすぎたりしているのが普通の状態で、現代の技術で入れる温度に加工しているにすぎません。その加工処理を必要としない位、入浴に適した温度だった→それゆえ自然に発見された古湯は大抵はぬるめの事が多いのです。
ぬるめであってもそれは「生の源泉」ですから温泉成分はたっぷり含まれます。ゆっくりじっくり浸かって頂くのも、昔で言えば「温泉療法の一つ」であったと思われます。ぜひお試しくださいませ。

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伊豆天城 吉奈温泉
源泉かけ流しの湯 御宿さか屋 0558-85-1100
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