週刊新潮

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【本文】
高度経済成長真っ只中の昭和45年、「人類の進歩と調和」をテーマに大阪・千里丘陵で開かれた万国展覧会。芸術家・岡本太郎は周囲の反対を押し切って、施設の中心となるテーマ館のプロデューサーを引き受け、丹下健三設計の大屋根を突き破って頭を出す、シンボルタワー《太陽の塔》を建てた。あれかこれかの分かれ道に立たされたら「危険な方に飛び込む」のが岡本の人生哲学で、彼の最高傑作は「岡本太郎」本人と言われている。
だが彼は「芸術は爆発だ」の言葉通り、常に爆発していたわけではなかった。その岡本が50年以上に亘って通い続け、英気を養ったのが、中伊豆・天城山中の「御宿さか屋」である。「昭和29年に三島で講演会があり、その帰途立ち寄られたのが最初。以来、年2回程度来て滞在されました。太陽の塔制作の打ち上げも、うちで行われましたよ」と24代目の城所大和・代表取締役。何故、我が宿がそんなにお気に入りにと問うと「(周囲の)山が何でもないからだ。刺激的じゃないところがいい。前の山を見てごらん。見てくれと叫んでないよ。だから楽なんだ」と満足げに答えた。先代主人、城所真一氏の商売っ気の無さが気に入り、東京オリンピック時の改装の際、「俺も何か作ろうか」と女性が座った際のお尻の形をした大浴場を設計。青春時代を過ごした仏での経験から、「日本のジビエ(野生料理)なら猪」と猪料理を『大名焼』と命名。客は丁髷と裃をつける趣向で大ヒットした。死の数年前まで同宿を訪れ、付近を現主人と歩いた。その天城の山々は今も静かに佇んでいる。
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